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国富と知的財産

2000年6月当時、経済企画庁長官で、作家の堺屋太一氏が、OECDのフォーラムで講演した「知恵の値打ちが経済の成長と企業の利益の主要な源泉となる社会に突入した。遠からず、西洋の残りの国々といくつかのアジア諸国においても同様の社会が成立するであろう。特に日本は、目下、知価革命が爆発的に進行している最中である。・・・」と語ったことがあります。

英智を働かせ、生産コストとは連動しない高い価格を決めることができる知識・頭脳集約的な商品が、大きな利潤を獲得できる時代になるということかと思いました。知的財産権は、まさしく革新的なアイデアや発想を守る後ろ盾となるもので、知的財産権全般の保護強化を「プロパテント」といい、多くの国が、この「プロパテント」を重要な経済政策の一つとして掲げています。

プロパテント政策を採用する背景には何があるのでしようか?1980年前半まで経済不振にあえいでいた米国経済が、みごとに再生した最大の要因の一つに、プロパテント政策の採用があります。1985年当時のレーガン大統領は、通商政策のアクションプランの中で、知的財産権の保護強化の大切さを訴えました。そして、様々な制度改正を行い、米国における知的財産権保護の強化を図りました。また、大学を知的創造の場と考え、研究成果の特許化を奨励し、大学に特許収入が還元されるシステムと技術の移転ができる制度の定着に努めました。ところで現在は、プロパテントから「プロイノベーション」(促進)へと転換することが求められています。

つまり、この知的財産権を技術革新に繋ぎ、経済価値を高めることが必要だと思いますが、我が国では、まだ十分に経済価値の創出に繋がっていないのが現状のようです。日本の特許登録件数は、世界で最も多い訳ですが、経済成長率への全要素生産性寄与度は、米国やEU先進国よりも少ないのが現状で、十分に経済価値の創出に繋がっていないといわれています。

今日の世界的経済不況の中で、日本企業の知財戦略に後退傾向が出ていることが懸念されています。聖域がなく予算の見直しすることによって、研究開発投資が削減され、08年度の国内出願件数は2年連続の減少となったようです。国際競争力を維持していく為にも知財戦略は大切です。

しかし、わが国の特許制度にも問題がないとは言えない面もあります。弊社の例が該当するかどうかわかりませんが、弊社が多言語のビジネスモデル特許 (詳しくは弊社HP多言語ソリューションの中の「5.IISのビジネスモデル特許」をご参照下さい) を8年前に出願して、やっと特許を取得しましたのが2年前で、道のりの長さに当惑した経験があります。当時出願件数が多い時期だったかもしれませんが、出願書類の審査が進まずに、根雪状態になっていたようでした。

そのあと早期審査制度が導入され幾分改善されたと思いますが、民間企業では、厳しい経済情勢の中で「選択」と「集中」が迫られていますので、すぐに結果が出ることが優先されます。また特許を取得した後の特許流通についてもいろいろな施策があるようですが、決め手に欠けると思います。

いずれにしても、知的財産権戦略は技術・貿易立国としての我が国の国際競争力を維持していく上でも、また「国富形成」の点からも極めて大事な戦略と考えます。特に、環境対応が不可欠な時代となりました今日、我が国がイニシアチブを握っている環境技術は、まさしく知財の塊で、この財産を今後上手に活用することが大切なことだと思います。

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