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新興国対策を誤らせる、上からの目線

中国やインド及びその周辺新興国に対し、我々日本人はややもすると上から目線で観察・判断をしているのではと思います。例えば、2008年開催の中国の北京オリンピックは、1964年開催の東京オリンピックと、そして今年開催される上海万博は1970年開催の大阪万博と比較し、

その間の歳月を国の発展のタイムラグと見て、40年は遅れていると考えてしまいがちですが、この遅れているという考えは明らかに修正が必要かと思います。この上から目線で、失敗した実例が最近多くなっている様に思います。知的財産権の側面では、中国に特許出願している日本企業の特許出願の多くが「もやし特許」になっていると言われています。つまり、翻訳の質が悪いというせいもあって、「意味不明」な文書となり、中国の審査官や裁判官が理解出来ずに、拒絶されてしまうか、もし幸いに権利が取れたとしても、権利が大幅に削減された状態でしか認められない「弱く、狭い範囲の権利」となっているようです。

日本の出願企業の中国出願に対する考えの中には「これまでの中国にはない、ハイテク技術の出願だから特許は、すぐに取れるであろう」しかし「すぐに模倣される可能性があるので、少し難解な表現で文章を作成しておく」といった考えがあったかと思います。しかし、中国の審査官や裁判官が読み、理解して貰うために極めて大切かつ必要な、中国語への翻訳も中国の特許事務所(現地代理人)に丸投げをして、安く仕上げるという取り組みが上記の「もやし特許」の量産になっているとも言われています。ちなみに弊社には中国で翻訳された訳文の逆検証の依頼が増加しています。

中国では日本の様に必ずしもハイテク技術ではなくても、日本企業が得意とし、保有している技術を公知の先行技術として、中国・国内での用途やニーズを取り入れた改良又は機能追加をした技術でも、中国での新規性や発明性を審査官や裁判官に分かりやすく、主張している出願が多く出され、権利化されているようです。ちなみに、中国企業の日本特許の閲覧件数はもとより、日本への特許出願件数も急激に増加し、予想外の展開となっています。次に物作りの側面からも上から目線で失敗した例が多くなっていると思います。例えば、携帯電話の件ですが、あらゆる高機能を満載した日本のNTTやKDDIの携帯電話が、なぜアジア諸国では普及せずに、ノキアや韓国のサムスン・LGエレクトロニクス等のメーカーが大きなシェアを握っているのでしょうか?

日本のNTTやKDDIは、日本国内を含む欧米先進国を意識した物作りをしていますが、それぞれの新興国の現地ニーズを十分に調査すれば、高機能は必要なく、電話と言う単機能で、しかも安いことが求められていました。インドでは、単機能携帯がこの一年間だけで1,000万台普及したとのことです。又先進国入りを果たしつつある韓国の企業は、自国内のマーケットが狭いせいもあってか、海外進出意欲がもともと旺盛でサムスンの様に海外各地に社員を現地化させ、現地ニーズを吸収した商品作りをしています。その結果、開発費が比較的に少なくて済む割に、売上げが巨大化するいわば「一番美味しい」TV・家電・携帯等の事業分野で国際的シェア―を高めているのに対し、日本企業は投資資金のかかる領域の商品に偏り気味で、総じて売り上げは低く、利益の上がりにくい、いわば「おたく商品」が得意な感じがする、と評した経営者の方がおられました。新興国と接する時、上から目線は失敗を招きやすいので、現地・現場ニーズを踏まえた目線が大事かと改めて感じた次第です。

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