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05.17.10
以前のブログでも記述致しましたが、1929年にNYのウォール街を震源地として起きた世界大恐慌から数えて、今年で81年となります。この間、様々な経済的停滞時期がありました。中でも2008年9月に起きた、米国のサブプライムローン問題を発火点とする危機は、
さながら野焼きの火の如く、世界中に飛び散り、2年近く経った今日でも、その後遺症に苦しんでいる国々が、先進国を中心に存在します。我国もその一つですが、果たして今日の経済的停滞はサブプライム危機以降からでしょうか?筆者は、何度もブログ上で記述して参りましたが、我国の経済的停滞は、よく言われています、「失われた20年」の期間の中で、構造的に数多くの停滞要因が蓄積されてきていたと思います。
あたかもEUの航空機業界に多大な損害を与えた、アイスランドの火山の噴火のように、マグマが溜まっていたのだと思います。この間、誰が命名したのか存じませんが、「いざなぎ景気超え」という長期にわたる景気回復期があったと言われています。しかし、筆者はもとより、多くの人々が景気回復を「実感」出来なかったのでは、と思います。と申しますのも、弊社の翻訳料金は、この20年間少しでも値上げが出来たかと言いますと、逆に毎年少しずつ料金の値下げ要請がり、今や通常料金では受注が不可能な位に値下がりをした水準となり、利益率も甚だしく悪化の一途を辿っています。
1990年代後半以降に顕著になりましたデフレが、進行した結果だと思います。このデフレの進行は、今日なお進行形で、多くの物価や投資・雇用といった、国内需要が停滞し続けています。この間、戦後60年以上の長きに渡って政権を担当してきた政党や日銀は、経済政策の誤りを改善できず、その場しのぎの対策に終始し、デフレ脱却が出来ないままに、このデフレは「素人がF1のレーシングカーを操縦している」と非難されている、国政に不慣れな現政権に引き継がれています。「20年間のロス」は、国益の損失のみならず、国民生活にとっても大きな損失であると思っています。
少子高齢化、社会保障費の急増化そして財政の破綻懸念等々、今後内需が停滞する要因ばかりで、企業の多くが、中国やインドそして周辺の新興国へ活動拠点を移し始め、今後さらに加速しようとしています。国内の設備投資、それに伴う雇用も減少し、このマイナスのスパイラル化を止める為にも、抜本的な様々な対策を講じることが急務です。まず今なお進行中のデフレの払拭に日銀はもとより、政治の場でも与野党が共に取り組む必要があると思います。政権が交代し、政治が流動化している今日、デフレ対策、社会的安心、教育、そして外交・国防といった重要課題に対しては、いたずらに政争の具とはしないで、挙党一致で取り組まなければ、我国はやがて「泥船の如く」沈むのではと思います。
あたかもコップの中の様な国内で、足の引張りゴッコは終わりにして、国難と国益に取り組むべきだと思います。そして、我国の浮揚の為の明確な国家戦略を作成し、実行することだと思います。さらに我国の労働生産性が、先進国はもとより、新興国に比べても急激に低下していると言われていますが、民間企業はもとより、官公庁、各種の独立行政法人等々でも、生産性の向上に取組むべきだと思います。そして、グローバル化時代への対応として、中国・韓国・インドといった国々の留学生が、欧米各国で急増している中で、逆に我国からの留学生が減少しているといわれています。そこで、返却不要の留学基金を創設し、積極的に海外留学を促進させ国際的に通用する人材の育成を図ることも必要だと思います。
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