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06.07.10
ギリシアに次いで、金融不安が伝えられているEUのスペイン・ポルトガルといった国々が、かつて大航海時代に乗り出した15世紀から16世紀では、新大陸や未開地が次々と発見され、
活動範囲が急速に広がり、この地球は限りなく拡大しているがの如くの錯覚を人々に与えたと思います。しかし、現代のグローバルな大航海時代では、地球は小さく、狭くなっていると、ほとんどの人々が感じていると思います。インターネットを介しての夥しい情報が瞬時に世界中を駆け巡ることによって、地球の裏側で起きた事がやがて自分の身近な所でも何倍にも増幅されて起きる時代となりました。
カオス(CHAOS)理論の例でご説明しますと、南米の一匹の蝶の羽ばたきが、やがて何万、何十万そして数え切れない位の蝶の羽ばたきを誘発して、やがてとてつもない暴風を起こすとか、サハラ砂漠で起きた一瞬の砂けむりが、偏西風に乗って大西洋を越え、アメリカ大陸に到達する時には、カトリーナーの様な巨大なハリケーンになっているとか言われています。情報大航海時代の現在は、地球を一層小さく、狭くしている様に思います。
かつてヨーロッパの旧大陸から新大陸・未開地が発見された時代には、経済的な市場が拡大して余裕があった時ですが、情報大航海時代の現在では、経済的市場も狭くなり、限られた有望な市場を目掛けて、世界中の強者企業が参入し、さながら弱肉強食の世界となります。この状態を、同志社大学教授の浜矩子氏は、グローバル・ジャングルと称しています。又意図的に情報を操作して、他国・他社企業を窮地に追い込む事も日常的に起きています。かつてのブログでも記述致しました、まさに熾烈な生存競争が繰り広げられるレッド・オーシャン(赤い海)そのものの世界です。
そして、地道にかつ規律を守って営業しているメイン・ストリートの企業もそして個人も、米国のウォール・ストリートの面々の様に、地球のどこかの強欲に駆られた集団によって窮地に追い込まれる危険性があります。また食料や各種資源の争奪や金融不安等によって不安定な生活を余儀なくされることもあります。グローバルな情報大航海時代では、上記の様な悲観的な事ばかりではなく、勿論いい事もたくさんあります。1例としては、知的欲求や価値創造に役立つ情報を、効率よく収集することが出来ますし、同様に発信することも出来ます。いずれにしても主役は人間ですから、良くも悪くもその行為の結果責任は負わねばならないと思います。
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