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ビジネスを忘れた技術製品

かつては最強とまでいわれた、半導体や液晶パネル・DVDプレーヤ・太陽光発電等々の日本の物作りの技術製品が、グローバルな市場で、シェア―を落とし続けていると言われています。

不思議な気がしていましたが、最近理解出来るようになりました。メインの販路対象をこれまで欧米先進国に置いて高機能・高付加価値、そしてハイスペックを追及した製品開発をすれば売れるという、自信が日本企業にはずっとあったのかと思います。しかし、その頼みの欧米諸国も、世界的不況の震源地だったり共鳴地で、金融不安が渦巻き、景気回復には今後さらに時間がかかると言われています。

しかし、世界的不況とは全く無縁ではありませんでしたが、著しく急成長を遂げている、人口30億人のアジア市場では、必ずしも高機能・高付加価値製品を求めているわけでもないのに、日本企業はマーケティング戦略の誤りか、欧米向け製品をそのままアジア市場にも投入していたと思われます。

経済成長によって中間所得層が増加し、豊かになりつつあるといっても、国民一人当たりの平均所得水準がまだまだ日本より低いアジア市場では、日本製品はそう簡単に買える価格ではないことに、日本企業も最近やっと気が付いた様です。ところで、日本の技術開発や商品開発状況を絶えずウォッチしている韓国企業や中国企業は、現地の所得水準にあった、低価格製品を一早く開発して、市場投入するというボリュームゾーン戦略で成功し、現地でのシェア―の多くを手に入れている様です。

かつて日経ビジネス誌で、インドやアフリカでマイクロビジネスで成功している、世界の代表的なグローバル企業のネスレやユニリーバーの記事を読んだことを思い出します。その記事によると、現地の人々の購買能力に合う様に、商品を極めて少量ググラムの小袋化をして販売していますが、「塵も積もれば山となる」式で、今や他の市場と比較しても遜色のない位の大きな収益を上げているとのことでした。

また、日本の味の素も、中南米地域で同様に現地の人々の購買力に見合った小袋化で、現地の台所の必需品となっていると、TVで見たことがあります。ネスレやユニリーバーそして味の素の各社は、日用品である商品のグレードは落とさず、小袋化によって、現地で購入可能な低価格化を図ることによって、成功していると思いました。多種多様な国際市場では、各地域の購買力を見極めて、場合によってはシンプルで安価な製品にグレードを落とすことや、スペックを落として市場参入することも必要では、と思います。

また日本では国内の需要飽和から技術的に陳腐化した製品・商品でも、すぐに生産中止とはせず、生産拠点を新興国等に移管するなどして生産を継続し、需要ニーズの高い地域で販売することも必要かと思います。技術力では優れていても、マーケティング力を含む、ビジネス面で、韓国や中国企業に負けている現状を打開する必要があると思います。特に成長を続けるアジア並びに新興国向けの販売戦略では、技術面よりもビジネス面を重視する配慮が必要ではないかと思います。

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